「仕事」だけがキャリアではない、という視点
40代後半から50代にかけて、こんな思いがふと頭をよぎることはありませんか?
- このまま今の働き方を続けて、体力や気力はもつのだろうか
- 定年後、私はどんな毎日を送りたいのだろう
- 仕事以外に、私の人生を支えているものって何だろう
多くの40〜50代女性が、そう考えているのではないでしょうか?
それは、「キャリア=仕事」だけで考えようとすると、選択肢が一気に狭くなってしまうということです。
役職、年収、肩書き。
それらがこれまでの指標だったからこそ、違和感を覚え始めた今の気持ちは、とても自然なものなのです。
そんな時に、人生全体を少し引いた視点で見直すためのヒントになるのが、ハンセンの4L理論です。
ハンセンの4Lとは? 〜人生を捉える4つの視点〜
ハンセンの4L理論を提唱したのは、アメリカのキャリア理論家 L.S.ハンセン(Larry H. Hansen) です。
ハンセンは、「人の人生やキャリアは、仕事だけで成り立っているのではない」と考え、人生を次の4つの役割・領域(Life Roles)で捉えることを提案しました。
- Labor(仕事):職業、労働、社会的役割
- Love(愛):家族、パートナー、友人などの人間関係
- Learning(学習):学び、成長、自己理解
- Leisure(余暇):趣味、休息、楽しみ
この4つのLは、どれか一つが突出すればよいのではなく、組み合わさることで人生は「意味のある全体」になるとされています。
キャリアとは、職歴の積み重ねではなく、
人生というパッチワークを、どんな布で、どんな配色で仕上げていくか。
そんな視点を与えてくれる理論です。
年齢とともに、4Lのバランスは変わっていい
40代・50代の女性が抱えやすい悩みの一つに、
「今までと同じように頑張れなくなってきた自分」への戸惑いがあります。
でも、キャリア理論の視点から見れば、
4Lのバランスが変わるのは、成長であり自然な変化です。
- 20〜30代:仕事(Labor)中心
- 40代:仕事と家庭(Labor × Love)の両立
- 50代以降:自分らしさを再編集する時期
これまでと同じ配分で生き続ける必要はありません。
今のライフステージに合った配分を、選び直していいのです。
【事例】今の私自身の4Lバランス
参考までに、キャリアコンサルタントである私自身の、現在の感覚を数字にしてみます。
- 仕事(Labor):10
- 愛(Love):20
- 学習(Learning):30
- 余暇(Leisure):40
仕事(Labor):主役でなくていい
現在の正社員の仕事については、
「頑張りすぎず、無理なく続ける」ことを大切にしています。
昇進や評価を追いかけるよりも、
自分のエネルギー配分を意識する。
50代以降の仕事は、
人生の土台ではあっても、必ずしも主役でなくていい
愛(Love):役割が変わっていく時期
子どもが独立し、
「母親」という役割が少しずつ変化していく。
夫婦関係も、
支え合うフェーズから、
お互いを尊重するパートナーシップへ。
愛は、
濃さや量ではなく、心地よく続くことが大切。
40代・50代は、愛の形をアップデートしていく時期でもあります。
学習(Learning):50代からの学びは「自分を深める」
学習の比重は、これからさらに高めていきたい領域です。
- キャリアコンサルタントとしての専門性
- 起業や働き方の学び
- 自分の経験をどう価値に変えるか
50代からの学びは、
「何者かになるため」ではなく、
自分自身を理解し、深めるための学び。
余暇(Leisure):遠慮なく楽しむこともキャリア
これから、最も大切にしたいのが余暇の時間です。
- バドミントンやスキー🏸🎿
- 両親との旅行🚙
- 海外で新しい景色を見ること🛫
- おいしいものを味わうこと 🍇🍝
「老後の楽しみ」に取っておくのではなく、
今から、遠慮なく楽しむ。
これもまた、人生の質を高める立派なキャリアの一部です。
自分は、これからどう生きたい?
50歳以降の人生を考えるとき、
「仕事をどうするか」だけに意識が向きがちです。
でも本当に大切なのは、
これからの人生で
どのLを、どんなバランスで生きていきたいか
を言葉にすること。
4Lは、答えを出すための理論ではありません。
自分自身と対話するためのフレームです。
50代からの「ライフキャリア再設計」へ
もし今、
- 定年後のイメージが湧かない
- 仕事だけの人生に不安を感じる
- 何を楽しみに生きていけばいいかわからない
そんな思いがあるなら、
ぜひ一度、紙に4Lを書き出してみてください。
完璧でなくていい。
今の正直な気持ちでいいのです。
おわりに
人生は、仕事だけではできていません。
愛があり、学びがあり、楽しみがあってこそ、
人生は「意味のある全体」になります。
40代・50代は、
これからの人生を自分仕様に編集し直せるタイミング。
ハンセンの4Lが、
あなたのこれからを考える小さなヒントになれば嬉しいです。


