与えられた転機に気づいた私の話
海外組織で感じていた、言葉にできない違和感
私は海外拠点を中心とした組織で働いています。
拠点はシンガポール。上司は自分の出世を最優先に考え、シンガポールメンバーを明らかに優遇し、擁護する。
そんな環境の中で働くうちに、少しずつ、でも確実にフラストレーションが溜まっていきました。
「ここでどれだけ頑張っても、正当に評価されないのでは?」
「この組織の中にいて、私は本当にハッピーなんだろうか?」
答えは、正直に言うと NO でした。
抜け出したいのに、動けないもどかしさ
とはいえ、簡単に環境を変えられるわけでもありません。
仕事は仕事。生活もある。
年齢やこれまでのキャリアを考えると、
- 今さら異動して大丈夫?
- 新しい仕事についていける?
- 周りに迷惑をかけない?
そんな不安が頭の中をぐるぐる回りますました。
ある日、別の部門から声がかかった
そんな悶々とした日々の中、ある部門から声をかけていただきました。
正直に言うと、その仕事の大変さは分かっていました。
だから最初はお断りしました。
「今の環境もしんどいけれど、新しい挑戦はもっと大変かもしれない」
そう思ったからです。
でも、決定的な出来事が起きた
ところがその後、今の上司から
理不尽な指摘や、言いがかりのような言葉を投げかけられる出来事がありました。
その瞬間、ふと頭をよぎったのです。
「これって、私にとっての転機なのかもしれない」
逃げたいわけじゃない。
でも、このまま同じ場所に留まり続ける未来が、どうしても描けなかった。
「この歳で異動して大丈夫?」それでも決断した理由
異動を考え始めると、不安は一気に押し寄せました。
- この歳で異動なんて無謀じゃない?
- 本当にやっていける?
- 失敗したらどうしよう?
それでも最終的に、私は異動することを決断しました。
理由はシンプルで、
今のまま何も変えずに後悔する方が、ずっと怖かったからです。
異動して2か月。今、思うこと
異動して2か月が経ちました。
結論から言うと――
異動して、本当によかった。
もちろん楽なことばかりではありません。
プロジェクトマネジメントは責任も重いし、学ぶことも多い。
でも、「納得してしんどい」のと、「理不尽でしんどい」のは全く違います。
今は、自分の力が必要とされている実感があります。
幸運を引き寄せる「プランド・ハップンスタンス」
今振り返ると、この出来事はクランボルツ教授の「プランド・ハップンスタンス(計画的偶発性)理論」そのものでした。
プランド・ハップンスタンスとは? 個人のキャリアの8割は予想しない出来事によって決定される。その偶然を計画的に引き寄せ、チャンスに変えていこうという理論。
最悪なタイミングで上司の理不尽さが露呈したタイミングで、声をかけてもらえたこと。 これらは単なる不幸ではなく、次のステップへ進むための「必要な偶然」だったのです。
キャリアはすべてを完璧に計画することはできません。でも、目の前に現れた変化の兆しに気づき、勇気を持って乗ってみる。その姿勢が、運命を変えるのだと実感しました。
これは簡単に言うと、
キャリアは計画通りではなく、偶然の出来事によって形づくられる
その偶然を「チャンス」と捉え、活かせるかどうかが大切
という考え方。
あのとき声をかけてもらえたこと。
そして「これは転機かもしれない」と気づけたこと。
それ自体が、私にとっての大きな意味だったのだと思います。
「終わり」は「始まり」への準備期間
さらに言えば、ブリッジズのトランジション私の心境の変化はウィリアム・ブリッジズの「トランジション(転機)理論」にも当てはまります。
ブリッジズは、転機には3つの段階があると言いました。
- 終焉(何かが終わる):これまでの環境に見切りをつける
- 中立圏(ニュートラル・ゾーン):葛藤し、悶々とする時期
- 開始(新しい何かが始まる):新しい自分を受け入れる
私は、前部署での不満や葛藤を抱えていた「ニュートラル・ゾーン」に長くいました。苦しい時期でしたが、あの悶々とした時間があったからこそ、新しい環境へ飛び込む覚悟が決まったのだと思います。
「今の環境を捨てること」は、決して逃げではありません。新しいステージを始めるための、不可欠なステップなのです。
環境を変えたいけど、一歩踏み出せない女性へ
もし今、
- 今の職場がつらい
- でも動くのが怖い
- 我慢するしかないと思っている
そんなふうに感じている女性がいたら、伝えたいです。
無理に大きく動かなくてもいい。
でも、与えられた転機に「気づく力」だけは、手放さないでほしい。
チャンスは、意外と静かに、さりげなくやってきます。
それを「怖いから」と見送るか、「やってみよう」と受取るかで、未来は少しずつ変わっていきます。
最後に
環境を変えるのは勇気がいります。 でも、勇気を出した先には、今の場所では絶対に見られなかった景色が待っています。
プランド・ハップンスタンス――偶然を味方につけて。 あなたの「ハッピー」を、他の誰でもないあなた自身のために取り戻しませんか?


