やりたいことが分からないーそれは悪いことじゃない

自分ブランドの作り方

「子育てもひと段落し、仕事もベテランと呼ばれる域にきた。でも、本当にやりたかったことって何だろう?」 「定年までのカウントダウンが始まる中で、このまま組織の理不尽に耐えるだけで終わっていいの?」

40代後半から50代にかけて、ふと立ち止まったときに襲ってくるこの「正体の分からない焦燥感」。 かつての私も、海外組織の荒波に揉まれながら、全く同じ暗闇の中にいました。

今日は、25歳でのワーホリ、5回の転職、副業の閉店、そして50歳中盤での異動を経験した私が、キャリアコンサルタントの視点で見つけた「やりたいこと」より先に大切にすべきことについてお話しします。


「やりたいこと」が分からないのは、あなたが「役割」を全うしてきた証拠

私たちはこれまで、たくさんの役割をこなしてきました。

  • 期待に応える社員としての役割
  • 娘を育てる母親としての役割
  • 家庭を回す妻としての役割

特に50代前後の女性は、自分を後回しにして「誰かのため」に走り続けてきた方が多いはずです。 今のあなたが「やりたいことが分からない」と感じるのは、自分勝手だからでも、情熱がないからでもありません。それだけ一生懸命に「与えられた役割」を全うしてきた誠実さの証なのです。

まずは、ここまで頑張ってきた自分を「お疲れ様」と認めてあげるところから始めてみませんか。


「大きな夢」ではなく、自分の中の「違和感」に耳を澄ませる

50代からのキャリアにおいて、「やりたいこと(Doing)」を無理に見つける必要はありません。 それよりも大切なのは、「どうありたいか(Being)」という自分軸です。

私が54歳で異動を決意したきっかけは、上司からの理不尽な言いがかりでした。 その時に感じた強烈な「違和感」。 「もう、自分の心に嘘をついてまで、この場所に居たくない」

この「やりたくないこと(違和感)」の裏側にこそ、あなたの「やりたいこと(大切にしたい価値観)」が隠れています。

  • 理不尽な評価が嫌だ = 「公正さ」を大切にしたい
  • 孤独な環境が辛い = 「繋がり」や「貢献」を実感したい

あなたの負の感情を、キャリコンの視点で紐解いていくと、それが「自分ブランド」の核になります。


「点」を繋ぎ合わせると、進むべき道が見えてくる

私は25歳でオーストラリアのスキー場で働いていました。一見、今の仕事とは無関係に見えます。

でも、そこでの「未知の環境への適応力」が、今の私を支えています。 15年前のプリザーブドフラワーの副業も、「自分には組織が合っている」と再確認するための大切なプロセスでした。

これまでのバラバラに見える経験(点)を、繋ぎ合わせてみてください。 「ああ、私は形を変えながらも、ずっとこの価値観を大切にしてきたんだ」 そう気づいた瞬間、やりたいことは向こうから姿を現します。


定年までの年は、自分を取り戻す「黄金の準備期間」

54歳で異動した私がいま確信しているのは、「今さら」ではなく「今だから」できることがあるということです。

「やりたいことが分からない」と悩む時間は、決して無駄ではありません。 それは、あなたが次のステージ(定年後の自分ブランド)へ向かうための「ニュートラル・ゾーン(中立圏)」にいるということ。

焦って何かを始める前に、まずは今の場所で感じている「違和感」を書き出してみてください。 それが、会社の名刺を外した「あなた自身の名前」で生きていくための第一歩になります。


一歩踏み出す勇気が、景色を変える

「やりたいこと」が見つかってから動くのではなく、「違和感」に従って少しだけ環境を変えてみる。 すると、不思議なことに、新しい場所で新しい自分に出会えます。

54歳の私にできたのですから、あなたにも必ずできます。 定年までの時間を、自分を取り戻すための最高の旅路にしていきましょう。


【自分軸を取り戻す】3つの質問ワーク

やりたいことが分からなくなったとき、答えは外ではなく「あなたの中」にあります。 少しだけ時間を作って、静かな場所で以下の3つの質問を自分に投げかけてみてください。

1. 「これだけはもう嫌だ」と思うことは何ですか?

やりたいことより、まずは**「やりたくないこと(違和感)」を書き出してみましょう。 「拠点が違うだけで評価されない不条理」「自分の時間を削りすぎる働き方」「価値観の合わない上司との対話」……。 それらはすべて、あなたが次に「大切にしたい価値観」を照らす鏡**です。

2. 人から褒められたこと、または「当たり前」にできていることは何ですか?

自分では「大したことない」と思っていることの中に、あなたのエンプロイアビリティ(稼ぐ力)が眠っています。 後輩の育成、トラブル時の冷静な対応、長年の派遣や外資での適応力。 誰かに感謝された瞬間に、あなたの「自分ブランド」の種があります。

3. 「会社」という看板がなくなったら、誰を助けてあげたいですか?

定年後、あなたがこれまでの経験(転職、副業、育児、挫折)を活かして、笑顔にしたい人は誰でしょうか。 「かつての自分のように悩む女性」かもしれませんし、「異文化の中で孤軍奮闘する人」かもしれません。 「誰かの役に立ちたい」という純粋な願いこそが、一生モノの「やりたいこと」に繋がります。

この質問に正解はありません。今すぐ答えが出なくても大丈夫です。 ただ、こうして自分に問いかけること自体が、「役割」を脱ぎ捨てて「あなた自身」に戻るための大切なプロセスです。

もし、一人で答えを出すのが難しいと感じたら、いつでも私にメッセージをくださいね。 あなたのこれまでの「点」を一緒に繋ぎ合わせ、これからの「線」を描くお手伝いをさせていただきます。

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